
私は21歳から2年、27歳から1年半ほど、プチ引きこもりをしていました。高校を卒業してすぐ就職し経理関係の仕事をして3年間働き退職。退職した原因は、勤務先の雰囲気や人間関係でした。自分の能力の足りなさも一因です。普通高校しか出てないのに、いきなり経理の仕事で、わからない事だらけでした。役立ったのはそろばん(時代がわかりますね)ぐらい。若かったので仕事とは関係ない事で勉強したい事もありました。実家暮しでしたので住まいには困らないのですが、母親が厳しい人で、「働かざる者食うべからず。住まわせてあげるけど小遣いはあげない、毎日家事をやる事、暇だとろくな事をしない、〇〇新聞をとってあげるから、毎日見て仕事を探す事」と条件を出されて家に居させてもらいました。母親は子供の頃に父親を亡くし、中学卒業後寮生活をしながら働いていた苦労人です。働かない事をやすやすと許したり、私に同情して部屋に食事を運んでくるような人ではありませんでした。新聞は当時とっていた全国紙の他に、求人情報が掲載されている地元紙が新たに届くようになりました。ろくにアルバイトの経験もなく、いきなり就職して、能力の足りなさを痛感していた私は、その後アルバイトしたり、経理の学校に行ったり、家事をしたり、前からやりたかった英語の勉強をしたりしながら過ごしました。昼間家に居て、夜アルバイトしていた事もあります。朝仕事に行く母に、「行ってらっしゃい」と言うと、「あんたみたいな人間に、行ってらっしゃいなんて言われたくない」と言われた事もありました。とことん厳しい母でした。経理の資格をとったりしましたが、資格とは関係ない仕事に2年後に就職しました。その会社で4年近く働きました。ここでは店舗ですが殆ど外仕事で暑さ寒さに耐えながら頑張り、上司に気に入られて、その上司がいる部署に異動になった後、女子社員からのイジメで退職、その後は保険の営業を6年半、広告の営業を約1年、教材の営業を6年しました。営業の世界は同僚と言っても皆ライバルで、売上がなければ給料が下がり、売上が上がれば同僚から妬まれたりもしました。保険と教材の会社は売上が上がらなくなった事が退職の原因ですが、広告の会社はちょっとした上司の言葉でカッとなってすぐに退職してしまいました。一日中狭いスペースにこもって電話をかけ続け、電話をしていない時は広告を作成するという内容。営業成績や同僚との関係など精神状態が不安定になる要因が多く99%が女性で、閉鎖的な環境、成績に対する妬みもすごくちょっとした仲間外れにもあい、精神的に日々追い詰められていたところに上司の気にさわる言葉でカッとなってしまった…。ただ収入が良くやりがいがあったので、もう少し職場環境が良く、かつ一人暮らしだったら退職しなかったかも知れません。休憩室もなく、ほっと出来る場所がありませんでした。今考えると勿体なかった。いつ辞めても住む所にもご飯にも困らないと思う気持ちが、私から耐える気持ちを奪っていたんだなと思います。また私にはストレス解消出来る趣味や遊びがなく、仕事と家の往復ばかりだった事が自分を追い詰め、また仕事だけに真面目に取り組む姿勢が周囲に無言の圧力を加えていたのかな?と今になって思います。遊び仲間がいて、仕事の愚痴をこぼしたり、他の会社の様子を聞いたりしていれば、もっと自分の状況を客観的にみて冷静な判断を下す事が出来たかも知れません。今の職場は17年目です。一人暮らしになったのと、もう今から新しい仕事を覚えたり、環境を変えたりしたくないのと、現在の職場は今までの仕事に比べれば恵まれているので、色々ありましたが何とかやっています。一人暮らしをしてすぐに母も亡くなりました。怒鳴って注意してくれる人もいなくなりましたが、今とりあえず一人暮しをして、経済的にも自立しているのは、厳しかった母と、黙って見守って養ってくれた父親のおかげだと思っています。本当に感謝です。元々コミュニケーションが得意でない私が、会社であった事を愚痴ると、「お前の事なんか誰も気にしてない。これ以上出来ないぐらい努力したのか?!」と母に一喝されて終わりでした。若い時は神経が過敏でちょっとした事に落ち込んだり、カッとしたりして、辞めたい、逃げ出したい、もっと楽しく働ける職場があるんじゃないか?なんて思っていましたが、結果的にそんなに変わらないですね。変えるべきは自分自身だったと、今は思います。自分が変わらないのに、職場を変わっても何にも変わらないです。私の場合、仕事はいつも一生懸命でした。完璧を望むため、職場で何かあると、こんなに恥ずかしい思いをしたのに明日から会社に来れないという気持ちになり、一気に行動を起こしてしまい、退職してから後悔し、家でおいおい泣いていた事もあります。だいぶ後になってから、生理前に精神状態が不安定になり、普段我慢出来ている事が耐えられなくなるんじゃないか?今まで退職したのはその時期だったのではないかという事に気づきました。いわゆる月経前症候群ですね。それからは生理前、生理中には重大な判断はしないようにしました。女性の方は似たような経験をした方がいるのではないですか。ホルモンバランスや生理で血液が失われる事による貧血も一因のようなので、食べ物に気をつけ、漢方薬を飲んだり、針治療をしたりして体調やメンタルの悪化を防ぐ事に気を配りました。そのための費用も必要経費と考える事にしました。自分の感情をコントロールする事が出来ないと人生誤って損してしまうなと今は感じます。男女問わず、自分自身がどういう時に精神が安定しないのか知り、対策を立てておく事は必要だと感じます。それからよく周囲から言われていたのは、『仕事しかしてない、遊ばないから駄目』という事でした。どこに言っても言われるのですが、どうすればいいかわからなかったですね。趣味があったり、遊び仲間がいれば、仕事に対して、もっと余裕を持って取り組めたかも知れません。もしくは、趣味にお金がかかるから、仕事はそのために頑張るなんていう考えの方が良かったかも知れません。お洒落してるんるん気分で会社に行き、遊びの話をしている方が同僚や上司とも上手くいったかも知れません。ゆるみがないためにちょっとした刺激でボキッと折れてしまったんだなと今では思います。お客様や上司に指摘された「遊ばないから駄目」。今になって納得です。私の永遠のテーマかも。風にあおられてもしなやかにそよぐ草木のようにゆる〜く、ちょっとお洒落して楽しみながら生きていく事が、長い目で見るといいのかも知れません。

【引きこもりをしていた時の気持ち】
- 就職してもまたイジメられるかも知れない。
- せっかくいい会社に入ったのに、何で辞めちゃったんだろう。私はバカだ。泣きたい。
- 能力を身につけなくちゃ。
- みんな生き生きと毎日を送っているのに私は灰人だ。
- どうしてまたこんな事になっているんだろう。
- 子供の頃から家事はやらされてきたけど、料理や掃除ができたって仕事には役にたたない。こうなったのは仕事に役立つ知識や常識をちゃんと教育してくれなかった両親が悪い。
- 近所の人は私をどう思ってるんだろう。出来るだけ見つからないように、買い物は夜行こう(結局見つかってました)
- あーあー結局今日も大半の時間をテレビを見て過ごしてしまった。(私が若い頃はネット環境はありませんでした)
【一人暮らしをしてからの気持ち】
- (仕事で上司に厳しい注意を受けた日)あ~泣きたい、でもごはんを食べて行くには、明日も頑張って仕事に行かなくちゃ。
- また注意されないようにするにはどうしたらいいかな?
- 今日は晩ごはん何を食べようかな。
- 今日は〇〇と〇〇を買って帰らなくちゃ。お弁当も作らないと。
- 今度の休日は掃除と洗たくと料理とゴミ出しして髪も切らなくちゃ。
- 今度の給料は〇〇万ぐらいかな?今月のお金の収支を計算しないといけないな。
- (同僚に対して)嫌な奴だなあ〜今日も嫌味言って!ムカつく。でもあんな奴気にしていられない。仕事休んだら〇〇〇〇円損する。明日も頑張ろう。
- 何だか最近体調悪いなあ。栄養不足かな?夜ふかしが原因かな?残業し過ぎかな?明日は仕事がすごく忙しいから休まないようにしないと。マッサージにでも行こうかな?
- 今日は寒いなあ。でもガス代や電気代高くなるから、お風呂はシャワーにして、厚着して暖房は最小限にしよう。
- 明日で上司の〇〇さん異動だ。お世話になったから、何をプレゼントしようかな。
こんな感じですね。振り返ると引きこもりしていた時は暇だったんだなと思います。お金稼ぐ必要もないし、やりくりを心配する事もない。家に居てテレビがお友達で、新しい事も起こらないから、頭の中は自分が過去に嫌な目にあった事を繰り返し思い出している。一人暮らしすると、自分の身の回りの事を全て自分でやるしかないから、小さい悩みをいつまでも考えていられない。悩みの内容が全然違いますね。私が一人暮らしを始めて1年もしないうちに母親は亡くなってしまいました。怒鳴って叱ってくれる人もいなくなりました。自分自身も歳をとりました。今は何とか一人暮らし出来て、同じ会社に17年も勤務出来ています。貯金もできました。働け働けと叱り続けてくれた母親に感謝です。
【現在の私の気持ち】
- ちゃんと働いてきて貯金もある程度出来て、年金も払ってきて良かった。ある程度老後の目処がついた。
- 働いてきたおかげで父親と旅行が出来て、親孝行出来て良かった。父親が元気なうちに出来るだけ多くのところに連れて行ってあげたい。
- 若い時は、とてつもなく落ち込んだり、ヒステリックになったりしたけど、何が原因だったか正直思い出せないなぁ。
- 若い時は働く事に対して甘えがあったな。お給料をもらう分しっかり働かなければいけないのに、ちょっとした事で泣いたり、落ち込んだりして、ずいぶん周囲に迷惑かけていたな。
- 仕事しなければわからない事、仕事しなければ出来ない経験、仕事しなければ出会えなかった人、いい事も悪い事もみんな私の宝物。
- 人一人生きていくには、結構お金かかるな。1ヶ月働いてやっとこのぐらいのお給料もらえるのに、家にいた時はずいぶん親に負担かけていたな。
- これからも今の仕事を頑張っていきたい。健康を保って一生お金に困らないようにして、家族に迷惑かからないようにしたい。
- 微力でも社会に貢献していきたい。
- 自分自身の人生も、もっと充実させていきたい。
先日引きこもり当事者がテレビに出ていました。なぜ引きこもりをしているのかわかりませんが、大学院を出ている30代前半ぐらいの男性です。母親と2人暮らしのようでした。その男性とお母さんの会話です。
息子「貯金はいくらあるの?」
母「そんな事は…」
息子「何で教えてくれないの」
母「そんな事は答えなくていいでしょう」
息子「どうして? 教えてくれないと困るんだ」
母「文句があるなら、この家出て一人暮らししていいのよ」
息子「どうしてそうやって突き放すの?放り出すの?」
母「いいのよ本当に出て行って」
皆さんどう思いますか?大学院まで出て働かずに引きこもり、母親の世話になって、貯金はいくら残っているのかを問う。息子さんは、自分がどれだけ変な事を言っているか全く気づいていません。答えないお母さんを責めています。大学院までかかった教育費はいったいどのぐらいでしょうか。その事に感謝しているのでしょうか。働いてお母さんに恩返しするのが本当なのに…。母と子いう超狭い人間関係から脱出して、業種は何でもいいので働いてほしいなと見ていて思いました。お母さんは毎日やきもきして夜も眠れないでしょう。引きこもりをしている人の頭の中は、過去の出来事で一杯で未来の自分の設計図が全く描かれていません。この息子さんは、まだ引きこもりを続けるつもりで、あとどのぐらい働かずに生きていけるかを確認したかったんでしょう。そんな事をハラハラ気にしながら生きるより、もっと楽しい事でハラハラしたいですね。
もう一人別な引きこもりの男性です。この方は子供の頃から引きこもり、公的な援助を得て一人暮らしをしています。同居していたお母さんは病気で他界。尋ねてきたお父さんを責めています。
息子「何でもっと早く〇〇に連れて行ってくれなかったの?連れて行ってくれればこうはならなかったのに」
父「あの時はベストな選択をしたつもりだった」
お父さんは泣いています。その気持ちが息子はわからないようでした。「親が何々をしてくれなかったからからこうなった」と過去を向き親を責めている限り未来は開けてこないでしょう。親の世代は公的な援助も少なく、とにかく頑張るしかなかったのです。だからグチグチ文句を言っても通じず、情けないとしか思われないでしょう。今は心療内科や精神科が増えて、そういう病院を受診したりする事へのハードルも低くなりました。療育施設も増えました。確かに専門家の指導で良くなる事もあるのかも知れないし、本当に精神的な病気であれば診断を仰がなければいけないでしょう。しかしお父さんからすれば、自分の意思で何とか立ち直ってほしいという気持ちが大きかったのだと思います。また息子さんが希望する施設などヘ連れて行ったとしても何かのかたちで労働をしないと収入は得られません。嫌な事があっても、耐えて働き続ける。これが大半の人の日常です。その中で収入を得て、人に揉まれて自分自身が成長していくのが人間です。私自身の経験からも、誰かのせいにしている限り成長はしないと思います。一日でも早く思い切って、勇気をもって一歩を踏み出す。目の前の障害物は自分自身の工夫や力で乗り超えて、また進んでいく。結局こうするしかないんです。その繰り返しが人を成長させるのだと思います。コロナで世の中が停止したような状態になり、色々な産業が大打撃を受けています。人は労働し、外出し、お金を使うという行動を行わないと、世の中全体が駄目になってしまうという事を、この数ヶ月間で皆さん感じたんではないでしょうか。誰もが世の中の一員です。自分の世界から外の世界ヘ大きく一歩を踏み出しましょう。(^_^)
コメントを残す